■STOP■




「ストップ」

ふいにくちづけを拒まれた。




「どうした、成歩堂?」
「どうしたっていうかね、ごめん、今日、そういう気分じゃなくて」

えらく歯切れの悪い理由に、私は目を細めた。
いつもの成歩堂ならばくちづけの直前に拒むなんてことはしない、拒むなら出会い頭から既に拒んでいる。

それに。それに。

気付かなかったわけが無い。
私に身を任せようとして、ベッドに倒れようとした瞬間の彼の、微妙な表情の変化。そして拒絶。
気付いてくれといわんばかりの矛盾を残してくれた恋人に、どの証拠から突きつけようか。それともハッタリでもかましてみるか。
彼がいつもやっているように。


「誰だ?」
「……っ!」
数分後考えて選択したのはハッタリだった。
表情の変化や動作なんてその時の気分だろ、と片付けられてしまうかもしれないから。
「……誰なんだ?」
「……」
俯いてしまった成歩堂の着ていたカッターシャツの襟を、少しずらした。
ああ、やっぱり、つけた覚えのない、赤い跡。
「……ッ」
涙ぐんで目をそらす成歩堂に、私は軽くくちづけた。

首筋にも新しく。上から跡を。

「みつる、ぎ…」
「もう泣くな」

嗚咽をかき消すようにくちづけを。
その心まで浄化できればどれだけ救われるだろう。
こんな私でも少しは。
少しは彼の心を安らかには出来ないものか。

安らかに出来なくともせめてこの手で守りたい。


「誰でもいい。私がこんな跡消してやる…」


そう、こんな偽の所有印は消してやる。


ただし。

「新しい跡は残るがな」




この男に所有印を刻んでいいのは只一人。私だけだ。


「びみょう」と入力して美妙と出ました。み、ミッタンめ…!

このSSは「jaggy」の朝霧ハヤト様に相互リンク記念で勝手に送りつけー!とかしてみたものです。
なんかいろいろ痛かったりですがこんなものでよかったのかな…
独占欲強いミッタンを描こうとして、モテモテで無理やりキスマークとか付けられてギリギリで逃げ出してきちゃったりする傷な成歩堂君とか描こうとして、チョット撃沈してはります…うわわわわ。
てか、短文…っ!!短すぎるだろコレ・・・
でも実は苅田さんの標準ってこの長さだったり…今までのが長すぎたんだよな…(死)。
こんな短くても愛はめっちゃくちゃこもってるんです。

朝霧様のサイト:jaggy